83年組のAさん PART.7(最終回)

83年組のAさんは芸能界を引退してから
一切マスコミに出たことがないと書きましたが、
厳密に言うとそれは正しくありません。

85年頃に所属プロダクションを辞めた彼女。
これが事実上の芸能界引退。
ここで一旦は故郷に帰ったと思われますが、再び上京。

芸能界に未練があったのか、芸能界から呼び戻されたのかは
わかりませんが、Aさんは前事務所とは
別の芸能事務所に所属して再出発します。

86年にヌード写真集をリリースし、
その後も男性誌で単発のヌードグラビアを披露します。

それまでは正統派のアイドル歌手として活動していた
Aさんのこの転身ぶりは衝撃的でした。

彼女は自らの裸身を芸能界復帰の足がかりとしたのです。
当時のキャッチコピーには確か「復帰ヌード」とありました。
しかし、その後の彼女を目にすることはありません。
現在に至ります。

出演依頼に対する回答は無し。
電話を掛ければ一方的に切られる。
Aさんから感じる拒絶の意志。

私は86年の復帰劇に懲りた彼女が
何らかのトラウマを抱いていたと見ています。

電話の一件から時間が経ったものの、
担当雑誌と書籍の締め切りが重なり、
Aさんを取材する時間自体がなくなりました。
彼女の取材は書籍の第2弾にまわすことに。

ところが、第2弾の企画は第1弾の売上不振のためボツ。

まあ、Aさんの芸能界の辞め方を振り返れば、
続編でも出演の望みは薄かったでしょうね。

83年組のAさんはアイドルのひとつの理想形。
非常にお宝度が高い。

これは夭折したアイドルにも言えることだが、
誰も今の彼女を知らない。

我々に残されたのはレコード、グラビア、写真、映像...
少女だった頃の残片のみ。

END